カブトムシの蛹の飼育でやってはいけない3つのこと。失敗しない秘訣を解説

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蛹の期間は、カブトムシの一生の中で最もデリケートな時期。

カブトムシは、幼虫から蛹、蛹から成虫へと大きく姿を変えます。

ただ、カブトムシの飼育が初めての場合、どうやって育てれば良いか、どのようなことに気をつけるべきか、わからないことだらけですよね。

カブトムシの蛹の飼育では、とにかく触らないことが大切です。

無事、成虫になることを祈りつつ、そっと見守ってあげて下さい^^

このページでは、カブトムシの蛹の飼育で失敗しない方法を詳しく解説します。

これさえ読めば、あなたのカブトムシも、夏には立派な成虫になって土から出てきてくれますよ。

カブトムシの蛹の飼育でやってはいけないこと3つを解説

カブトムシに、無事、成虫になってもらうには、蛹の時期にやってはいけないことがあります。

それは、次の3つです。

カブトムシの蛹の飼育でやってはいけないこと

・蛹室を壊す

・土の霧吹きを怠る

・カビ、コバエ、ダニを気にしすぎる

カブトムシの蛹を育てるときは、これら3つに注意して下さい。

それぞれについて、詳しく解説します。

蛹室を壊す

カブトムシの蛹を飼育するときに最もやってはいけないのは、蛹室を壊すことです。

蛹室とは

蛹室とは、カブトムシが蛹の姿で過ごす空洞のことです。

幼虫の時期、カブトムシは体から分泌液を出して土を押し固め、蛹室を作ります。

蛹室

蛹室は、カブトムシが蛹の時期を過ごす大切な部屋。

蛹室を壊せば、カブトムシが羽化不全になる可能性が非常に高いです。

羽化不全とは

羽化不全とは、カブトムシがうまく羽化できずに死んでしまったり、奇形のある体の成虫になったりすることをいいます。


羽化不全のカブトムシは、角が曲がっていたり、羽が体に収まらなかったりします。

羽化不全のカブトムシ

カブトムシが蛹の時期は、とにかくそっとしておくことが大切です。

まず、土の交換は3月を最後に留めましょう

カブトムシが蛹になる時期は、5~6月頃です。ただ、屋内で飼っているなど、気温によっては4月末頃から蛹になり始める個体もいます。

タイミングを誤って、蛹室を壊さないように気をつけましょう。

また、カブトムシの蛹が入っているケースは、くれぐれも落としたり、倒したりしないようにして下さい

強い衝撃が加われば、カブトムシがせっかく作った蛹室が崩れてしまいます。

羽化を待ちきれず、土を掘り返して確認するのもNGです。

カブトムシが蛹室を作り始めてから成虫の姿で現れるまでには2か月ほどかかります。

カブトムシの成虫ががなかなか姿を現さなくても、気長に待ってあげてください。

ここで、カブトムシが蛹室を作り始めてから成虫になるまでの流れをみてみましょう。

蛹室を作り始めてから成虫になるまでの流れ

蛹室作りから蛹になるまで

カブトムシが蛹室を作るのにかかる期間は、約2~3週間。

幼虫は、蛹室を作り終えると蛹になる準備へと入ります。蛹になる前の段階の幼虫を前蛹(ぜんよう)といいます。

前蛹の皮膚は、幼虫の頃より分厚く、シワだらけ。次第に自由を失い、脱皮の後、蛹へと姿を変えます。

前蛹

幼虫が蛹になることを蛹化(ようか)といいます。

蛹から成虫になるまで

カブトムシの蛹が成虫になるまでには、約3週間かかります。

蛹の殻を破って羽化した後、カブトムシは1週間~10日ほどかけて、成虫となった体をじっくりと乾かします。

羽化後の成虫の様子

体がしっかり乾いたら、カブトムシはようやく地上に出てきます。

そして、しばらくじっとして、体が整うのを待ちます。

カブトムシが餌を食べるようになれば、体が成熟したサインです。

この頃には、交尾もバッチリできるようになっています^^

カブトムシの体に触っても、もう大丈夫ですよ。

昆虫ゼリーを食べるカブトムシ

このように、カブトムシの幼虫が羽化するまでには時間がかかります。

「カブトムシの成虫がなかなか土から出てこないけど、大丈夫?」「まだ幼虫なの?」「蛹のまま死んでない?」と心配でも、土は絶対に掘り返さないで下さい。

カブトムシが元気なら、遅くとも8月中旬までには土から出てくるはず。

それまでは、辛抱強く待ってあげて下さい。

また、1つのケースでカブトムシの蛹を育てている場合、羽化して体が整った成虫から、順次、別のケースに移しましょう。

そうすることで、羽化して間もない他の成虫や蛹を傷つけるのを防げますよ。

土の霧吹きを怠る

カブトムシの蛹の飼育では、土の霧吹きも怠らないようにして下さい。

土の乾燥のし過ぎは、蛹室の崩壊のもとです。蛹室の強度を保つには、適度な湿り気が必要です。

土は、軽く握って固まるくらいを目安に湿っている状態を保ちましょう。土の表面が白っぽく乾いてきたら、霧吹きで水分を与えて下さい。

土の湿り具合の目安

ただ、土を湿らせすぎるのも良くありません

土がビシャビシャになるまで湿らせてしまうと、蛹室が崩れたり、水たまりができたりして、カブトムシが羽化不全となる可能性が高いです。

また、カブトムシが蛹になる時期なら、蛹化不全も起こりやすくなります。

蛹化不全とは

蛹化不全とは、カブトムシの幼虫がうまく蛹になれなかったことをいいます。

 

蛹化不全のカブトムシは、頭や足など、幼虫の殻が取れていない状態で蛹になります。殻を無理に剥がすことはできません。

 

蛹化不全になったカブトムシは、残念ながら、ほとんどが死んでしまいます。

カブトムシの蛹が入っているケースは、時々チェックして、適度な湿り具合を保ちましょう。

カビ、コバエ、ダニを気にしすぎる

カブトムシに、無事、成虫になってもらうためには、カビやコバエ、ダニを気にし過ぎないことも大切です。

たしかに、蛹が入っているケースの土にカビやコバエ、ダニを発生すれば、カブトムシに害がないか心配でしょう。

ただ、これらは大量に発生しない限り、カブトムシには特に影響はありません。

むしろ、カビやコバエ、ダニを退治しようとして蛹室を壊してしまう方が問題です。

カビの場合、生えるのは土の表面までのことが多く、カブトムシの蛹室にまで達しないことがほとんどです。大抵は放置して問題ありません。

カビがどうしても気になるなら、表面に生えているものをそっと取り除きましょう。

コバエやダニが湧いても、基本的には放っておいて大丈夫です。

ただ、コバエ・ダニが大量に発生すると、土の劣化が進み、蛹室が崩れやすくなります。

その場合、蛹は人工蛹室へ移すのが安全です。人工蛹室については後述しているので、参考にして下さいね。

カブトムシの蛹が入っているケースの土にカビやコバエ、ダニが湧いても、気にしすぎは禁物です。

判断を誤って蛹室を壊すことのないように気をつけて下さい。

当サイトの管理人のカブトムシは、羽化率100%で成虫になった

実際、当サイトの管理人である僕は、上述の方法で11匹すべてのカブトムシの羽化に成功しました。

7月になり、カブトムシたちが続々と土から出てきたのを見たときは、本当にうれしかったです。

僕が育てたカブトムシたち

カブトムシに無事羽化してもらうには、蛹室を壊さないことがとにかく重要です。

土の乾燥に気をつけつつ、そっと見守ってあげて下さいね。

カブトムシの蛹化・羽化を観察したい人におすすめのケース

カブトムシの幼虫を飼っている人の中には、蛹化・羽化の様子を観察したい人も多いと思います。

その場合、ラクぼっくすやペットボトルで幼虫を飼育するのがおすすめです。

ラクぼっくすやペットボトルのケースは、通常のケースよりも薄型。カブトムシが壁際に蛹室を作る可能性が非常に高いです。

カブトムシの蛹化・羽化の様子を観察したいなら、これらのケースで幼虫を飼育すると良いでしょう。

ラクぼっくす

ラクぼっくすの特徴

・幼虫・蛹の観察がしやすい
・コバエの出入り、土の乾燥を防ぐ
・サイズはノーマルとワイドの2種類

ラクぼっくすは、幼虫の観察に特化したケースです。

ラクぼっくすのサイズは、ノーマルとワイドの2種類。

ノーマルの奥行きは60mm、ワイドの場合は70mmと薄く、ケースの壁際から幼虫・蛹を観察できる可能性が高いです。

ラクぼっくすは、空気穴が小さく、不織布で覆えるから、コバエの出入りや土の乾燥も防げます。

ノーマルの場合は幼虫2匹ほど、ワイドの場合は3~4匹ほどを飼うことができますよ。

ペットボトルを使った自作のケース

ペットボトルを使ったカブトムシの飼育ケース

ペットボトルを使ってケースを自作することもできます。

ペットボトルのケースは身近なものを使うことから、作成にかかる費用はゼロ

ペットボトル1本につき幼虫1匹を飼育できます。

ペットボトルのケースの場合も、壁越しに幼虫や蛹を観察できる可能性は高いです。

例えば、ペットボトル500mlの直径は、65mm。ラクぼっくすの奥行きとほぼ同じサイズです。

ペットボトルのケースの作り方は、次のページでで詳しく解説しています。ぜひチェックしてみて下さい。

カブトムシの蛹化・羽化の様子を観察したいなら、ラクぼっくすやペットボトルのケースを使って幼虫を育てましょう^^

カブトムシの羽化不全を防ぐには人工蛹室に避難させよう

カブトムシの蛹を大切に飼っていても、予期せぬアクシデントは起こります。

ここからは、人工蛹室について解説していきます。

人工蛹室とは、その名のとおり、人の手で作った蛹室です。

カブトムシの蛹室をうっかり壊してしまったり、コバエやダニが大量に発生したりした場合、蛹は人工蛹室に避難させて下さい。

人工蛹室に蛹を移すことで、羽化不全になるのを防ぐことができます。

また、土の上で蛹になってしまったカブトムシも人工蛹室に移してあげる必要があります。

カブトムシが土の上で蛹になる理由は、次のとおりです。

カブトムシが土の上で蛹になる理由

・1つのケースに幼虫を入れ過ぎている

・ケースの中が糞でいっぱいになっている

・ケースの中が高温多湿

幼虫や糞が多くて土の中に十分なスペースがなかったり、高温多湿で居心地が悪かったりすれば、土の上で蛹になる個体が出てきます。

カブトムシの幼虫を密に入れるのは避け、ケースの中は最低でも35℃以下、結露が生じないくらいを保って下さい。

例えば、幅30cmのケースの場合、飼育できる幼虫の数は2~3匹ほどが目安です。

カブトムシが土の中にきちんと蛹室を作れるよう、ケースの環境はしっかり整えてあげて下さいね。

残念ながら、土の上で蛹になってしまったカブトムシは、人工蛹室に移してあげましょう。

ここで、おすすめの人工蛹室を紹介します。

ミタニのサナギのへや

ミタニのサナギのへや
サナギのへやの特徴

・蛹の様子を観察できる
・人工蛹室は全部で3つ。蛹のサイズに合わせて使い分けられる
・何度でも繰り返し使える

ミタニのサナギのへやは、数少ない国産のカブトムシ用の人工蛹室です。

蛹を観察しながら飼育することができます。

ミタニのサナギのへやは、異なるサイズの人工蛹室が3つ付いています。あなたの蛹の大きさに合わせて使うことができますよ。

また、中のスポンジが壊れない限り、何度でも繰り返し使えるのも便利な特徴のひとつ。

スポンジを取り出せば、通常のケースとしても使えます。

ミタニのサナギのへやは、カブトムシの飼育にひとつあれば安心のケースです。

オアシスとペットボトルを使った自作の人工蛹室

オアシスで作った人工蛹室

人工蛹室は、オアシスやペットボトルなど身近なものを使って自作することもできます。

切り花の保水に使うオアシスは、人工蛹室に最適です。

自作の人工蛹室も、作り方次第で中の蛹の様子を観察することができますよ。

詳しい作り方は、次のページをチェックしてみて下さい。

なお、市販の人工蛹室を使う場合、間違ったものを選ばないように注意して下さい。

横型の人工蛹室は、外国のカブトムシやクワガタ用のものです。

国産のカブトムシには、縦長の人工蛹室を選んで下さいね。

カブトムシが羽化不全になりそうなときは、人工蛹室に移して管理しましょう。

まとめ

このページでは、カブトムシの蛹の育て方について解説しました。

カブトムシが蛹のときは、土の乾燥に気をつけつつ、そっとしておくことが第一。蛹室を壊さないことが何より大切です。

カブトムシの蛹化・羽化の様子を観察したいなら、ラクぼっくすやペットボトルで作ったケースで幼虫を飼育するのがおすすめです。

万が一蛹室を壊してしまったときは、人工蛹室に蛹を移しましょう。羽化不全を防ぐことができます。

カブトムシが立派な成虫の姿で現れてくれることを楽しみに、蛹は大切に育ててあげて下さいね^^

最後にこのページで紹介したグッズをまとめておきます。ぜひチェックしてみて下さい。

ラクぼっくす

ミタニのサナギのへや