幼虫から育てたカブトムシが蛹へと変化し、成虫へと姿を変える…カブトムシの飼育も、いよいよ集大成ですね。
カブトムシの幼虫は、4~5月頃になると、蛹(さなぎ)に変わる準備を始めます。幼虫が無事蛹になれるよう、土の交換は3月までに留め、ケースの中を蛹室(ようしつ)作りに適した環境に整えましょう。そして、カブトムシの幼虫が蛹に姿を変えれば、そっと見守ってあげて下さい^^
このページでは、カブトムシの蛹の育て方における3つのポイントを解説します。
目次
カブトムシの蛹の育て方で押さえておきたい3つのポイント
カブトムシの蛹の育て方といえば、「放置」が基本です。ただ、蛹の時期は、カブトムシにとって、幼虫から蛹、蛹から成虫へと姿を大きく変える非常に大切な期間にあたります。
そこで、カブトムシが無事成虫になれるよう、押さえておきたいポイントがあります。それは、次の3つです。
カブトムシの蛹の育て方におけるポイント
- 蛹室を作りやすい環境に整えよう
- 蛹になったら、霧吹き以外は放置が基本
- 羽化した成虫は、餌を食べ始めるまで触らない
それぞれについて、詳しく解説していきます。
ポイント①蛹室を作りやすい環境に整えよう
カブトムシの幼虫が蛹へと姿を変える時期を迎えるにあたり、幼虫が蛹室を作りやすいようにケースの環境を整えましょう。
蛹室とは
蛹室とは、幼虫が土の中に作る縦長の空洞です。4~5月になれば、幼虫は土を食べるのをやめ、体から出る分泌液を利用して蛹室を作り始めます。
幼虫が安心して蛹室を作れるよう、土の交換は3月いっぱいまでに留めるようにして下さい。最後の土の交換では、ケースの底から10cmくらいの高さを目安に土を押し固めて入れましょう。
そして、ケースの高さ8割くらいまでを目安に柔らかい土を追加します。
すると、幼虫は、土の硬く頑丈な部分まで潜って蛹室を作り始めます。蛹室作りにかかる期間は、2~3週間が目安です。蛹室が完成すれば、幼虫はその中で動かなくなります。幼虫の皮膚は、しだいに厚く、しわだらけに変わっていきます。この状態を前蛹(ぜんよう)といいます。
さらに、カブトムシの幼虫は、前蛹から蛹化(ようか)へと成長を進めていきます。蛹化とは、文字通り、蛹になること。幼虫は、体を茶色く硬く変え、蛹の姿になっていきます。カブトムシが蛹の姿で過ごすのは、約3週間です。
カブトムシの幼虫が蛹になるための準備として、まずは土の交換は3月を最後に留め、ケースの中を蛹室作りに適した環境に整えてあげましょう。
ポイント②蛹になったら、霧吹き以外は放置が基本
幼虫が蛹へと姿を変えれば、とにかく触らないことが大切です。土の乾燥を防ぐため、時々霧吹きで表面を湿らせてあげることは必要ですが、それ以外は放置に徹してください。
蛹の時期に最も避けるべきは、蛹室を壊してしまうことです。蛹室は、カブトムシをカビや細菌、敵から守る役割をもった大切な部屋。蛹室を壊してしまうと、蛹のまま、カブトムシが死んでしまうことが多いです。蛹室は、くれぐれも崩さないようにして下さい。
蛹の姿をどうしても見たい人は、ケースの側面や底に蛹室がないか、探してみると良いでしょう。幼虫は土の硬い部分に蛹室を作る性質があるため、ケースの側面や底面を使って蛹室を作っていることがあります。こちらで紹介しているペットボトルを使ったケースも、蛹の観察におすすめですよ^^
蛹室を探すときは、ケースを落としたり、ケースを勢いよく床に置いたりして、蛹室を崩さないよう、くれぐれも注意してくださいね。
蛹の時期は、霧吹き以外は何もせず、そっとしておいてあげることが基本です。
ポイント③羽化した成虫は、餌を食べ始めるまで触らない
蛹の育て方における3つめのポイントは、羽化した成虫は、餌を食べ始めるまで触らないことです。
羽化したばかりの成虫の体は、とてもデリケートです。ようやく土から出てきても、じっとして動きません。カブトムシが動き出すまで、気長に待ちましょう。
餌を食べ始めるようになれば、カブトムシの体が成熟したサインです。この時期になれば、カブトムシを触ってもOK。パートナーさえいれば、交尾だってし始めますよ(メスがいなければ、オス同士でも…笑)
羽化後、カブトムシは体の成熟を待ってから活動を始める
羽化したばかりのカブトムシがしばらく動かないのは、まだ体の状態が整っていないからです。
カブトムシは、蛹室の中で蛹へと姿を変えた後、3週間ほどで羽化します。羽化にかかる日数は1日。羽化した直後の成虫は体が固まりきっておらず、前羽は白くやわらかい状態です。こんなタイミングで敵に狙われることがあれば、カブトムシはひとたまりもありません。
そのため、羽化したばかりの成虫は、まずは蛹室の中で1週間ほど過ごし、体が硬くなるのを待ちます。そして、土の外へ出た後は、体が完全に乾くまでじっとしています。体の状態が整えば、いよいよ活動開始です。
僕の経験では、土から出てきたカブトムシが餌を食べ始めるまでにかかる期間は、1日~1週間ほどと個体差が大きいです。カブトムシが動かないからといって、心配しなくても大丈夫。弱っているわけでも死んでいるわけでもないので、そっとしておいて下さいね^^
まとめ
このページでは、カブトムシの蛹の育て方における3つのポイントを解説しました。
無事、カブトムシの幼虫が蛹、成虫へと姿を変えるには、まず、ケースの中を蛹室作りに適した環境に整えることが大切です。そして、蛹になれば、ケースの土の表面を霧吹きで湿らせる以外は、基本的には放置するようにして下さい。羽化して成虫になったカブトムシが土から姿を現せば、餌を食べ始めるまで触らないことがポイントです。
幼虫から育ててきたカブトムシが成虫になった姿は、本当に感動ものです。「よくぞ、ここまで育ってくれた…」と心の底から思います(笑)
このページを参考に、ぜひ、幼虫から蛹、蛹から成虫になるまで大切に育ててあげてくださいね。