カブトムシを飼っていると、土に白いカビが生えているのに気づき、ビックリすることがあります。カビの見た目は様々。ホコリのように粉っぽかったり、紐状や塊だったりもします。土の表面だけでなく、ケースの側面や底の土にも広がったカビを見ると、カブトムシが死なないか、幼虫の成長が妨げられないか、心配になる人は多いです。
ただ、カブトムシの土にカビが生えても放置で問題ありません。カブトムシの土にカビが生えるのは、キノコの菌が原因です。これは、腐葉土にもともと混ざっている材料のひとつ。幼虫が大きく育つのに欠かせない大切な栄養素です。
このページでは、カブトムシの土にカビが生える理由と対処法について、詳しく解説します。
目次
カブトムシの土にカビが生えるのは、キノコの菌が原因
カブトムシの土に白いカビが生えるのは、キノコの菌を配合して腐葉土を作っていることによります。キノコの菌糸は、幼虫にとって最高のごちそうです。幼虫は、キノコの菌糸を食べることで大きく成長します。したがって、土に白いカビを見つけても、放置して問題ありません。
実際、野生のカブトムシの幼虫は、シイタケのほだ木の下に多く生息します。ほだ木とは、キノコを栽培するのに使った木のこと。カブトムシの幼虫の餌となるクヌギを使っていることが多いです。幼虫は、キノコの菌が豊富に入ったクヌギのオガクズをもりもり食べて、大きく育ちます。
土にカビが生えてきても、カブトムシが病気になったり、死んだりすることはありません。むしろ、白いカビが生える土は、カブトムシの幼虫にとって栄養たっぷりのものである証拠です。土に白いカビが生えてきても、幼虫の餌と思い、そっとしておいて下さい。
カブトムシの土にカビが生えたときの対処法
上述のとおり、カブトムシの土にカビが生えてきても放置していてOKです。ただ、僕たち人間にとって、カビは気持ち悪い存在。カビをそのままにしておくと、キノコが生えてくることもあります。
そこで、ここからは、カブトムシの土のカビが気になるときの対処法を紹介します。
カブトムシの土のカビが気になるときの3つの対処法
カビがどうしても気になる場合、次の対処法をとると良いでしょう。
カブトムシの土のカビが気になるときの対処法
- カビが生えている部分だけを取り除く
- 土を全て交換する
- 土を攪拌(かくはん)する
カビが気になる場合、まずは、その部分だけを取り除きましょう。それでもカビが生えてきたり、全体的にカビが生えてきたりして気持ち悪いときは、土を全て交換するのも方法のひとつです。
ただ、カブトムシが卵や孵化して間もない幼虫、蛹の時期に土の交換をするのは危険です。カブトムシを殺してしまう可能性が高いです。蛹室(ようしつ)を崩すと、奇形のある成虫になることもしばしば。蛹室とは、幼虫が蛹(さなぎ)になるのに備えて、土の中に作った空洞のことです。具体的には、9~10月の期間、5月以降に土を交換するのは控えて下さい。
カビへの対処法として、カブトムシを一旦取り出し、土を混ぜ合わせて使う方法もあります。土を攪拌(かくはん)して菌糸を崩し、空気を含ませることで、菌の働きを弱めることができます。具体的な攪拌の手順は、次のとおりです。
土を攪拌する手順
① 手をしっかり洗う
② 土の塊を手で砕く
③ 両手で土をすくい、すり合わせる
菌糸が混ざったフカフカの土は、幼虫にとって格好の餌。作業の前にはしっかり手を洗い、不要な雑菌を土にうつさないように気をつけましょう。
なお、青や緑色のカビは、キノコの菌とは異なります。これらのカビを見つけたら、その部分だけ取り除きましょう。大抵は、土の中のバクテリアの働きで生えてこなくなります。とはいえ、野生のカブトムシは、様々なカビと共生しているのが普通です。心配し過ぎないようにして下さいね。
カブトムシの土は、3~4か月を目安に使い切ろう
購入して開けていないカブトムシの土でも、すでにカビが生えていることがあります。この場合も、特に気にする必要はありません。土をよくほぐしてから使えば大丈夫です。
ただ、カビが生えた土を長期間そのまま保管しておくのは良くありません。カビは、いくら幼虫の餌になるとはいえ、放置すれば、土の劣化が進みます。購入した土は、なるべく早く使い切りましょう。
ペット用品のメーカーであるチャームによれば、カブトムシの土は、3~4か月で使い切るのが目安です。期間内であっても通常と見た目や臭いが異なる場合は、使わないようにしましょう。
このように、カブトムシの土のカビが気になる場合、部分的に取り除く、土を交換する、土を攪拌する、といった対処法があります。土は、鮮度が良いうちに使い切るようにして下さい。
僕の飼っていたカブトムシの土にもカビが生えた!
ここからは、僕が飼っていたカブトムシの幼虫の土にカビが生えてきたときの話をしていきます。カビの様子と僕が行った対処法は、次のとおりです。
カビの様子 | 対処法 |
---|---|
土の表面に白い楕円形の塊ができて、根を張るように下へ菌糸が伸びた | カビの部分だけ取り除いた |
網のような菌糸が土の表面にビッシリと張った | 放置→勝手に枯れていった |
キノコが生えた | キノコを取り除いた |
未使用の土に白いカビが生えた | 土を攪拌して使った |
いずれの場合も、幼虫の成長には全く問題ありませんでした。最大で85mmもの大きさの成虫に育ちましたよ。
カブトムシの幼虫にとって、カビはやはり栄養たっぷりの餌といえます。
まとめ
このページでは、カブトムシの土にカビが生える理由と対処法を解説しました。
カブトムシの土に白いカビが生えるのは、腐葉土の材料のひとつであるキノコの菌が原因です。カビは、幼虫の成長に欠かせない大切なごちそう。そのまま放置していてOKです。
カビがどうしても気になる場合は、部分的に取り除いたり、土を交換したり、土を攪拌したりして対処して下さいね。