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「カブトムシを卵から育ててみたい」そんな願いをもつ子供は多いです。
カブトムシの卵の孵化は、子供にとって命の誕生を感じる貴重な経験にもなります。
親としては、なんとしても成功させてあげたいですよね^^
ただ、僕たち親でも、カブトムシの卵の孵化は初めてのことだったり、子供の頃の遠い記憶で覚えていなかったりして、よくわからないことだらけです。
実際、当サイトの管理人である僕の場合、カブトムシといえば「小学生くらいのときに成虫を1回飼ったことがある」くらいの薄っすらとした記憶しかありませんでした^^;
そこで、このページでは、カブトムシの飼育の初心者でも簡単に卵を孵化させる方法を解説します。
ぜひ、参考にしてください^^
目次
カブトムシの卵を孵化させる鉄則!「卵は探さない」
カブトムシの飼育の初心者が卵を孵化させる鉄則は、ただひとつ。
卵は探さないこと。これに尽きます。
カブトムシの飼育の初心者が卵をむやみに探したり、触ったりすると、うっかり傷つけて死なせてしまう可能性が高いです。
卵に気づかず、見逃してしまうことも十分あり得ます。
生みたての卵は白く艶々した楕円形をしているのが特徴です。大きさは、楕円形の長い方の直径でも3~4mmしかありません。
卵は数日で倍の大きさに膨らむものの、白から薄オレンジ、茶色へと変色していきます。
これでは、カブトムシの卵を探そうと思っても、土と同化しやすく見つけにくいです。
また、すでに卵から孵化した幼虫が土の中にいる可能性もあります。
孵化したての幼虫も気づきにくく、傷つけたり、見逃したりしやすいです。
孵化したばかりの幼虫の体長は、わずか8~9mm。白く艶があり、透き通った体が特徴です。
孵化したての幼虫も土に紛れやすく、少し外力が加わっただけで簡単に傷つき、死んでしまいます。
カブトムシの飼育の初心者がカブトムシの卵を孵化させるには、とにかく放置しておくことが大切です。
産卵の確認は、交尾から2か月ほど待ってから行おう
カブトムシの卵は探さないのが鉄則とはいえ、土の中に卵があるかどうかは気になるもの。
産卵の確認は、交尾から2か月ほど待ってから行うようにすれば安全です。
交尾から2か月経った頃であれば、おおかたの卵は孵化しています。2cm以上の幼虫に育っていることでしょう。
この時期の幼虫なら、土を広げたくらいの衝撃で傷ついて死んでしまうことはありません。土に紛れて見逃すこともないでしょう。
そこで、カギとなるのが交尾の完了日。
お店で買ってきたカブトムシならペアで飼い始めて1週間後、野生のカブトムシなら飼育初日を交尾の完了日と考えてOKです。
買ってきたカブトムシの場合、オスとメスを同居させてから1週間もすれば、交尾を完了していることがほとんどです。早い個体なら、同居の初日から交尾を始めますよ^^;
野生のメスなら、大半はすでに交尾を済ませています。
買ってきたカブトムシの場合は同居を初めて1週間後、野生のカブトムシの場合は飼育の初日を交尾の完了日と考えて下さい。
では、カブトムシの交尾から2か月までの経過をみていきましょう。
このように、交尾から2か月もすれば、カブトムシの幼虫は2cm以上に育っています。
産卵の確認は、交尾から2か月ほど待ってからするようにして下さい。
なお、いつになっても孵化しない卵があれば、無精卵の可能性が高いです。
形がいびつだったり、色が黒くなったりしたものは、無精卵または死んでしまった卵。カビが生えてきた卵は腐っています。
残念ですが、捨てることをおすすめします。
ケースの側面から幼虫を確認できる場合もある
交尾から2か月待たなくても、ケースの側面から幼虫を確認できる場合もあります。
このとき、幼虫が2cm以上に育っているようであれば、交尾から2か月経っていなくても産卵の確認をしてOKです。
ケースの土を新聞紙の上に広げ、実際に幼虫が何匹いるのか、数えてみましょう。
また、カブトムシのメスの行動から産卵を察することもできます。
カブトムシのメスが長い期間土に潜って出てこないなら、産卵している可能性が高いです。
ただ、実際にメスが産卵しているかどうかは、卵や幼虫を見つけないことにはわかりません。
カブトムシのメスが卵を産んだかどうかをいち早く知りたい人は、上述のとおり、ケースの側面に幼虫がいないか頻繁にチェックすることをおすすめします。
ケースの側面をチェックするときは、くれぐれも衝撃を加えないように気をつけて下さいね。メスの産卵を妨げてしまいます。
超かんたん!カブトムシの卵の孵化率を高める3つのポイント
では、交尾から2か月の間、何もせずに卵の孵化を待っているだけで良いでしょうか。
カブトムシの卵を無事孵化させるには、次の3つのことに気をつけて下さい。
それぞれについて詳しく解説します。
ポイント① 土を乾燥させない
カブトムシの卵を無事に孵化させるため、まず気をつけるべきは、土の乾燥です。
卵が入っている土は、時々霧吹きをして水分を加えておくこと。軽く握って固まる程度に常に湿らせておきましょう。
乾き過ぎた土では、卵は干乾びて死んでしまいます。
ポイント② ケースは、直射日光が当たらない風通しの良い場所に置いておく
直射日光が当たらない風通しの良い場所にケースを置いておくことも大切です。
卵は、暑すぎる環境では孵化しません。
カブトムシのケースの置き場所におすすめの場所は、自宅の玄関や廊下です。
僕の場合、カブトムシは廊下で飼育しています。
カブトムシの卵を無事孵化させるため、ケースの置き場所にも気を配りましょう。
ポイント③ 卵と成虫は分けて飼育する
卵の孵化率を高めたいなら、卵と成虫は分けて飼育するようにして下さい。
成虫は交尾から1か月後を目安に別のケースに移し、卵だけで管理しましょう。
卵と成虫を分けて飼育するのは、成虫が土に潜ったときに卵や幼虫を傷つけて殺してしまう可能性があるからです。
交尾から1か月も経っていれば、すでに産卵は始まっています。すでに孵化した幼虫もいるかもしれません。
卵や幼虫のため、成虫は別のケースに移して飼うのが安全です。
なお、カブトムシにたくさん産卵してほしければ、産卵セットを組んで飼うのがおすすめです。
産卵セットとは、メスが卵を産みやすいように土をたっぷりと入れたケースのことです。
産卵セットについて、詳しくは次のページで解説しています。ぜひ、チェックしてみて下さいね。
このように、カブトムシの卵を無事孵化させるには、ケースの乾燥や置き場所に気をつけ、成虫と卵は分けて飼育しましょう。
カブトムシの卵が土の上にある場合の対処法
ここで、レアなケースの対処法についても解説しておきます。
カブトムシは、まれに土の上に産卵することがあります。土の上にある卵の中には、成虫がたまたま掘り返してしまったものもあるでしょう。
そのような卵は、乾燥が進み、やがて死んでしまいます。
土の上に卵を見つけることがあれば、使い捨てのプラスチック製のスプーンなどで土ごとすくい、そっと埋めてあげましょう。
このときに重要なのが、卵には素手で決して触れないことです。手の熱や雑菌で卵を弱らせてしまう可能性があります。
カブトムシの卵は、スプーンの柄を使って土の表面から深さ1cmほどの穴を掘り、土をそっとかぶせて埋めてあげればOKです。
ケースの壁際に埋めれば、孵化の様子を観察することもできますよ。
卵を傷つけないよう、慎重に行いましょう。
卵は、もともとのケースはもちろん、瓶やプリンカップに入れて個別に飼うこともできます。
個別で飼育すれば、万が一病気で死ぬ幼虫がいても、ほかの幼虫にうつす心配がなくて安全です。
例えば、プリンカップは、100円ショップのほか、インターネットでも簡単に手に入ります。
プリンカップ
プリンカップは、蓋にキリなどで空気穴を20個ほど空けて使います。プリンカップで飼うときも、土の乾燥には気をつけて下さいね。
なお、カブトムシの孵化の様子は、下記の動画でも見ることができます。
よかったら、チェックしてみて下さい^^
ダニが大量発生した場合も、卵を避難させよう
このほか、ダニが大量に発生してしまった場合も、卵を避難させる必要があります。
ダニが数匹いるくらいなら、さほど心配しなくても大丈夫。ダニは、基本的にはカブトムシにも人間にも無害です。
ただ、ダニが大量に発生した場合は要注意です。
ダニの中には、卵の中身を餌にするものもいます。そんなダニが大量に発生してしまうと、せっかくの卵を殺しかねません。
第一、僕たち人間としても、ダニの大量発生は気持ち悪くて嫌ですよね^^;
ダニが大量発生した場合、新聞紙などの上にそっとケースの土を広げ、まずは上記の方法で卵を避難させましょう。
そして、ケースを水洗いし、新しい土を入れます。
一連の作業は、ダニが逃げ出しても良いように外で行って下さいね。
カブトムシの卵が土の上にあったり、ダニが大量に発生したりすることがあれば、安全な場所に卵を避難させてあげましょう。
カブトムシの幼虫を増やし過ぎた!! 飼い切れなくなる前に知っておきたい予防策
ここまで、カブトムシの卵を孵化させる方法について解説してきました。
ただ、あまりに産卵・孵化に適した環境でカブトムシを飼うと、幼虫がたくさん生まれ、飼い切れなくなる可能性があります(汗)
カブトムシのメスは、1匹につき20~30個もの卵を産むといいます。
いくら「カブトムシを卵から孵して育ててみたい」とはいえ、幼虫30匹はさすがに多すぎですよね。
幼虫がたくさんいれば、その分、腐葉土やケースを買い足す必要が出てきます。思いがけない出費になるでしょう…。
カブトムシの産卵・孵化を抑えるには、次の3通りの方法があります。
交尾から1か月後、メスを土が浅いケース、または針葉樹の土のケースに入れておけば、それ以上の産卵を抑えることができます。
例えば、土の深さ5cm以下の浅いケース、針葉樹の一種であるヒノキやヤシから作ったマットは、産卵にふさわしくありません。
カブトムシのメスが産卵に選ぶのは、幼虫の餌となる広葉樹の土がたっぷりある場所です。
このほか、メスを卵と一緒のケースで飼い続けるのも方法のひとつです。
メスと卵を一緒にしておけば、全ての卵が孵化することはありません。卵や幼虫の一部はメスの爪で傷つき、死んでしまいます。
たしかに、メスに卵を産ませないのも、死ぬと分かっている環境に卵や幼虫を置いておくのも、どちらも残酷です。
ただ、幼虫を増やし過ぎて飼い切れず、後で人為的に処分するのは心情的にもっと苦しいです。
それなら「はじめから産ませない、または自然にまかせる、といった方法をとった方が良いのでは」と僕は考えます。
カブトムシの幼虫が多くて困った場合の対処法
どんなに気をつけてカブトムシを飼育していても、人間が産卵・孵化を完全にコントロールすることはできません。
カブトムシの幼虫が多くて困ったときは、子育て中の知り合いに引き取ってもらうことをおすすめします。
子供が小学生以下の家庭なら、大抵は喜んでもらってくれますよ^^
カブトムシの貰い手がなく自然に帰す場合は、採集した場所にして下さい。むやみに放すと、生態系に悪影響を与えてしまいます。
というのも、カブトムシは、住んでいる地域によって遺伝子が違います。もともと住んでいないカブトムシの血が入ることで、遺伝子汚染が起こります。
カブトムシの幼虫が増えすぎて困ったときは、子供がいる知り合いにあげる、または採集した場所に帰すようにして下さい。
まとめ
このページでは、カブトムシの飼育が初めての人でも簡単に卵の孵化を成功させる方法を紹介しました。
カブトムシの卵を無事孵化させるには「卵は探さないこと」が鉄則です。産卵したか確認したいなら、交尾から2か月ほど経ってから行うようにして下さい。
卵の孵化率を高めるには、土の乾燥に気をつけ、直射日光の当たらない風通しのよい場所にケースを置いておきましょう。
交尾から1か月ほど経った時点で成虫と卵を分けて飼えば、万全です。
卵の孵化は、新たな命の誕生。子供の心に残ること、間違いなしです!
カブトムシの成長を親子であたたかく見守りましょう^^